(1)トレーサビリティシステムとは
トレーサビリティシステムは農林水産省の食品のトレーサビリティシステム導入ガイドで以下のように説明されています。
システムの仕組み:
トレーサビリティのための、「識別」、「データの作成」、「データの蓄積・保管」、「データの照合」の実施の一連の仕組み。
システムの構成:
組織・体制、文書化された手順書、およびプロセスと経営資源(要員、財源、機械、設備、ソフトウエア、技術・技法)、規則、教育・研修などからなる。
(農協流通研究所編:食品のトレーサビリティシステム導入ガイドより)
上記をで示すと以下のようになります。

簡単に順序建てて説明すると
・農産物がどこで、どのように作られ、いつ収穫されたか。
・その農産物がいつ集荷場に集荷され、いつ集荷場から出荷されたか。
・集荷場から出荷したその農産物がどの市場に入荷し、その市場からいつどこの小売店に出荷されたか
・小売店ではその農産物がいつ入荷したか。
の一連の工程が記録され、その記録が生産側からも、経由した流通経路からも、小売店からも、そして消費者からも情報として得ることができる仕組みです。
(2)何故トレーサビリティシステムは必要なのか
農産物は消費者に届くまでに生産から流通、小売りまで多くの関係者が関与します。それぞれの段階で安全の作り込みとその証となる情報を正確に伝えることに責任を持つ必要があります。消費者から見るとそれぞれの段階のどこで問題が生じても安心できません。すべてが問題ないことが必要です。そのためには各段階で農産物の取り扱いに責任を持ち、且つ相互に情報を交換する必要があります。そのためにトレーサビリティシステムが必要となります。

「図トレーサビリティシステムの必要性)」
(3)トレーサビリティシステムは農産物の安全以外にどんなことに利用できるか
生産者個々の生産の記録や流通過程を記録し、それを集計したり比較したりすることで、おいしい農産物をたくさん作ることにも利用できます。また生産上の課題や、非効率な面が見えてきます。それを改善することで
・生産、流通コスト低減
・生産効率向上、
・品質向上
などが可能となります。個人では農業生産の効率化には限界がありますが、トレーサビリティシステムを導入することで、それに参加する生産者全員が記録し、データ化し分析ができますので、それらを元に様々な課題について話し合い、改善の方法を検討することが可能となります。それにより、よりよい農産物を低コストで生産することを実現できる可能性が広がります。

